静寂の祈り

今年最後の新月は

静かな雨の朝となりました

この冬は本当に暖かく

年末であることを忘れてしまうほど


季節と季節の間にあった

繊細な光や香り

透明な空気感はいつの間にか

見当たらなくなり


枯葉の脇に胡瓜草が咲いているのを

見つけて

曖昧になっていく季節の境目と

確実に変わりつつあるものに

戸惑いを感じます


この年は平成から令和へと時代も変わり

あらゆるものが大きく変化した年でも

ありました

けれど ただ時代が足早にアップデートするだけでなく

皇位継承の儀式や日本が歩んできた古い歴史に

触れる機会が 今このとき巡ってくることに

何か大きな意味があるように思います


変えられるものを変える勇気を

変えられないものを受け入れる冷静さを

そして両者を識別する知恵を与えたまえ


ラインホールト・ニーバー


アメリカの神学者であったニーバーのこの言葉は

当時無題だったそうですが

のちに『ニーバーの祈り』として

多くの人に知られるようになりました


日本では

『静寂の祈り』

『静穏の祈り』

そう呼ばれることもあるようです


静寂 静穏という言葉の響きには

それだけで癒されるものがあって

ニーバーの祈りは

いつも忘れることなく

特にこの数年 心の奥深い場所で

幾度となく繰り返した言葉でもありました


変わりゆくもの

変わらないものの間で

それを受け入れていく姿は

自然界そのものの姿でもあるように

感じます

命の儚さと同時にその尊さを

いつも教えてくれる

この1年もその姿や美しさ 生きざまに

どれだけ助けられたかしれません


新しい時代も

またこれから先も変わらず

わたしの生き方の軸は

自然界の姿であるとあらためて感じています


今年最後の記事となります

この1年も多くの方にこの場を訪れていただき

感謝が絶えません

拙い文章に気まぐれな更新ではありますが

これからもお付き合いくださると

うれしいです


新しい年が皆様にとって幸多き年となりますよう

心から願っております


lokahi