Spring Ephemeral

行きつ戻りつしながらの春も

やっと本格的な季節に入り

日中は初夏を思わせるほどの

眩しい陽射しが降り注いでいます


足元には芽吹いたばかりの草花たちが

次々と顔を出し

少し歩くと青い瞳のオオイヌノフグリや

愛らしい表情の姫踊子草

鮮やかな赤紫色のカラスノエンドウ

オランダミミナグサや

タネツケバナも見つけることができました


寒い冬の大地の中で育まれた小さな命が

花を咲かせる季節

野の花たちのその健気な姿には

いつも言葉にならないほどの

愛しい想いを抱きます



『スプリング・エフェメラル~春の妖精~』

という言葉があります


雪解けとともに姿を見せる植物には

たくさんの種類がありますが

落葉樹の林で樹々が葉を茂らせるまでの

春先のほんの1~2ヶ月間という

短い間に花を咲かせ

初夏になると姿を消してしまう

山野草たちのことをそう呼びます

「Spring Ephemeral」

直訳すると「春の儚さ」


儚く健気な短い命から名付けられた

春植物たちの姿は

その名のごとく夢のように美しく

センブツソウやカタクリの花に

初めて出会ったとき

まさに儚い妖精のような佇まいに

しばらくその場を動くことができずにいました


その春植物たちの咲き始める林の中で

成長の遅いブナの木は

周りの植物たちに追い越されながら

春の陽射しが届くのをひたすら待っています


成長の速い樹々に見降ろされながら

暗い林の中でじっとその時を待つブナの木は

光が届き始める春先になると

スプリング・エフェメラルたちとともに活動を始め

最終的にはほかの樹々を追い越すほどの

背丈にまで成長し

美しい純林となり森の支配者となるのです


フラワーエッセンスのなかにも

「Beech」というブナのエッセンスがあり

幼い頃の環境や抑圧に苦しみ続けた人のための

支えとなると言われています


ビーチは古い英語でbocと呼び

本という意味の「book」に由来する言葉です

理解力や寛容さ、包容力をもたらすといわれる

ブナの木は古代ケルトの人々の間では

「智慧の木」と呼ばれ

人が生まれつき持っている叡智を象徴する

聖なる樹として尊ばれてきました


成長が遅く抑圧され

阻害されてきた幼い頃

過去に傷付けられたり失敗したこと

その経験が他者を理解し赦すことのできる

寛容さへと導くのです


植物界のひとつの姿は

最終的にビーチの林で安定することであり

最終的な完全さ・美しさだと言われています


ビーチのエッセンスについて

フラワーエッセンスの創始者である

エドワード・バッチ博士が遺した言葉に

再び触れると

今の時代に必要なメッセージとして

深く心に響きます


スプリング・エフェメラル

春の煌く光の中で

儚い今を精一杯生きる

言葉を持たない聖なる植物たちの生命


季節の巡りのなかで受け取れるメッセージを

大切にしながら過ごしたいと思います


* * *


それぞれの個人が

そしてすべてのことが

それぞれ異なった仕方で

最終的な完全さに向かって進んでいることを理解し

寛大で情け深くなることが必要である

~Dr.Edward Bach~



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information

HPにてお知らせしておりました『春分のフラワーエッセンス』は

満席となりましたので締切とさせていただきました

たくさんのお申込み・お問い合わせをありがとうございました

現在 4月以降の受付となっておりますので

引き続きよろしくお願い致します