花の輪廻
4月も半ばを過ぎました
満開の桜の時期を終え
ハナミズキが空に向かって
蕾をほどき始めています
花の季節がいつものように
巡ってくることすら
尊い奇跡のように感じます
今春の桜は本当に美しくて
華やかさだけではない
春の激しい雨風にも耐えて
凛とした強さを感じ
なにかしら大きな力を授かるようで
時間を見つけては見上げていました
あらゆる情報の渦の中で
何が本当なのか嘘なのか
見えないものに翻弄され
疲弊しながら過ごす毎日
思うことは溢れるほどあって
到底言葉にはできないような感情を
多くの人々が抱いていると思います
私の住む大阪は
大都市・東京と同時に
緊急事態宣言を受けました
何もかもが初めての状況で
言い知れぬ不安の中で
来る日も来る日も
頭上から水を浴びせられるように
情報を受け取るうち
いつのまにか
自分の中で必要なものだけを
ふるいにかけていることに気が付きました
政治や法律のことなど
平和な日々の中では殆ど知ろうともせず
そこに重大な欠陥があったとしても
気づく術を持ちません
けれども
こんな状況になって初めて
自分が住む地域のことや国の決め事
今置かれてる世界の状況などに
目を向けることができています
何が足りないのか
必要なものの優先順位はどうなのか
変えるべきことは何なのか
それぞれの国や地域
また個人の単位でも
明確に炙り出されているように思います
何かに責任を求めるつもりもなく
政治的なことには
あまり言及したくはありませんが
ただ強く感じていることをひとつ言うならば
多くの人々の上に立つ長たるものは
私利私欲を一切持たず
他者のために尽くす志を
持つ人であってほしいと
心から願います
理屈ではなく
ある種の気配や直感のようなものを
受け取る能力に優れた人であり
重要な判断を下す勇気を持ってほしいと
感じます
それは
古来から歴史の中で
優れた長と呼ばれてきた人々の持つ
ある意味共通した力のようなものなのかも
知れません
肩書や身分など
ありとあらゆるものを取り払い
炙り出されているものは
最終的には人間性のようなもの
そう感じています
一番大切なものは命だと
多くの人々が口にしています
それをどこまで深く願い
行動に変えて行けるのか
一人一人が問われていて
こうならないと変わらないもの
こうなって初めて気付くこと
これから変えていかなければならないものに
今向き合っているのだと思います
今できることを精一杯
今だからこそできること
今しかできないことを
ひとつひとつ大切に積み上げたい
一日も早く平穏な日々が戻りますように
嵐が過ぎ去ったあとに
見える景色が
私たちの望む景色であることを
心から願ってやみません
どうか皆様も御自愛くださいますように
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